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2022年5月7日(土) – 15日(日)
12:00 – 18:00*作家在廊日7日(土)

@ STOCK GALLERY 神戸市中央区海岸通1-2-15 2F

佐古馨

シュトックギャラリーでのイベント第二弾は、奈良の山深い場所に工房を構える造形作家「さこ かおる」さんの木工展を開催します。佐古さんの生み出すそのふくよかで円みのある造形と潔く通る線のコントラストは木がもつ力強さと繊細さを同時に感じさせてくれます。漆が施され用途を与えられた器は、花入として花木を生けると見違えるように生命力が溢れ出てきます。

佐古馨

昨年の紫陽花が咲き誇る季節に佐古さんの仕事場を訪ねました。最寄りの高速を降りてしばらく山道に車を走らせると集落が見えてきて小川の流れるその側に想像をしていたよりも大きな工房がありました。その屋内外には木工を生業にしている方なら垂涎ものの木材が所狭しと積み上げられています。佐古さんは都度その中から直感的に木材を選ばれるそうです。いつも冗談を言われているような気さくなお人柄の佐古さんですが、一旦木材と道具を手にされると表情が変わり素材と対峙しながらご自身の思い描かれる形へと彫り削り進めていき、あんなに荒々しかった木材が芯に隠れた美しい木目と共にミニマルなフォルムへと変貌していく様はとても緊張感のある時間でした。私の好きな作り手はみな口を揃えて、いかに作意を見せぬようにするかが難しいと話します。佐古さんはそれと同時に「永遠の素人でありたい」とも笑顔で仰られました。型にはまらないその自由さこそがこれら素晴らしい品を生んでいるのだろうなと強く確信しました。

佐古馨

木の器がもつ柔らかな揺らぎは、完全に乾燥していない木の塊をろくろで回しながら削っていく生挽きだからこそ生まれる絶妙な歪みで、木目の美しさを残した木肌そのままの器は直感で造形され 乾燥とともにやがて独特なフォルムへと生まれ変わります。一枚ずつ形の違う木皿は飾っても美しく、花入とともに毎日の暮らしに潤いと安らぎを与えてくれます。この度シュトックギャラリーのためにたくさんの木皿とともに写真のような大振りの花入れを用意してくださる予定です。GWの最後の週末からのスタートとなります。ぜひ初夏の暖かな日差しの下、新しいスペース「シュトック ギャラリー」へどうぞ足をお運び下さい。


佐古馨

さこ かおる造形作家
奈良を拠点に20代半ばより美術制作を始める。1990年代より美術作家として国内での個展やコンクールに出展し、2000年にはニューヨークのギャラリーで個展を開催。独特な荒々しさと繊細さから料理家や華道家からの支持も厚い。


STOCKSTOCK GALLERY

神戸市中央区栄町通 2-1-15 2F
078.392.1481
11:00-19:00 *水曜 店休日
info@def-company.co.jp
@stock_gallery_kobe