リトアニアに伝わる静かな装飾
バルト三国のひとつ、バルト海南東に位置する小さな国、リトアニア。面積は北海道の8割ほどの大きさで、「森と湖の国」として知られています。
そして、ヨーロッパで最後にキリスト教国となった土地。それ以前の15世紀ごろまでは、あらゆるものに神が宿る。と言った日本の神道にも通じる自然崇拝の文化が深く根づいていました。


その中で受け継がれてきた「ソダス」は、リトアニア語で「庭」を意味する言葉。
この国に古くから伝わる、伝統的な装飾品です。


幸せを招くものとして
リトアニアの主食である黒パンの原料、ライ麦の茎を使用するソダス。農村にある素朴な素材を糸でつなぐだけで生まれる、光と影が織りなす美しい立体です。この造形は、単なる飾りを越え宇宙や調和、暮らしの豊かさを象徴するものとして大切にされてきました。

古くは、新婚家庭のダイニングテーブルの上に吊るされ、幸福や調和を願う象徴とされていたソダス。やがて、イースターやクリスマス、結婚式など祝祭ごとに飾られ、ハレの日の装飾として一般家庭にも広がっていきました。
特別な日を祝うためのもの。そして、家族のこれからを願うためのもの。
ソダスはいつも、暮らしの真ん中で、静かに部屋を明るく照らしていたのです。
かたちに込められた、祈り
基本的なソダスは、二つのピラミッドが底辺でつながった八面体。上の角錐は「天」、下の角錐は「地」を象徴しています。
「天」から良い「気」が入り、その気が蓄えられ、家庭に幸運をもたらす。ソダスがゆっくりと回転することは、その家には良い「気」が満ちていると言われています。

LTshop 主宰、松田沙織さん
私たちのショップ神戸Töölö(トーロ)では毎年冬の気配を感じ始める頃、LT SHOPさんのリトアニアクラフトを期間限定でご紹介しています。そのLTSHOP を主催されているのが松田沙織さん。今回、松田さんによる「ソダス」ワークショップが実現しました。
穏やかでやさしい佇まい。けれど、ひとたびワークショップが始まると、手元の動きは迷いがなく声かけは静かで的確。参加者一人ひとりの様子をさりげなく見渡しながら、場を整えていく姿が印象的でした。
ものづくりの時間に流れる、静かな集中と安心感。松田さんのお人柄が、そのまま空間ににじんでいるようでした。

ワークショップの時間
ソダスを作るキットをもとに、ワークショップは進みます。
箱の中に入っているのは、ハサミ、針、ライ麦の茎のワラ、そしてリネンの糸。空洞になったライ麦の茎に針を通し、平面でパーツをつなげていく。

通す。結ぶ。通す。
ごくシンプルな動きの繰り返し。
最初は、平面の幾何学模様が少しずつ現れるだけで、これがどう立体になるのかなかなか想像がつきません。
「ここがいちばん難しいところです」
松田さんがそう話す通り、この工程がワークショップの山場。

みなさん黙々と手を動かし、自然と場は静けさに包まれます。
三角の頂点をつなげた瞬間、平面だったソダスが空間に浮かび上がりました。

平面が立体になる、その一瞬の高揚。誰もが思わず笑みをこぼしていました。
ライ麦の茎を乾かして作られたワラは、手に取るとシャラシャラと乾いた音を立てます。その音さえも心地よく、手仕事の時間は五感が研ぎ澄まされていくようです。


ソダスは、かたちそのものの美しさはもちろん、光を通したときに生まれる影も魅力のひとつ。
窓から差し込む光が机上に落とす影。立体と影が重なり、もうひとつのソダスが浮かび上がります。

すべての工程を終えたあとは、ひと息つけるお茶の時間です。
LTShopの「マイカップオブティ」のハーブティーと、チョコレートナイーブのチョコレート。

LT Shop Chocolate Naive フォレジャー 3flavors ¥1,728
完成したソダスを眺めながら、交わされる会話。
ワークショップに参加された方の表情は、どこか晴れやかでした。
穏やかで豊かな時間をつくってくださった松田さんへ、心からの感謝を。
暮らしの中に、ほんの少し、リトアニアの庭を
贅沢な素材や装飾でなくても、光を味方にした暮らしの美しさを知っていたリトアニアの人々。
ソダスは、闇を照らし、静かな庭を室内に生み出すような存在です。
暮らしの中にほんの少し、リトアニアの庭を迎えてみてはいかがでしょうか。

ソダスキットは神戸Töölöにて販売しております。
テイスト&タッチweb shopでは、LT Shopの商品を1月4日(日)まで期間限定でご紹介しております。ぜひこの特別な機会にご覧ください。






















