アトリエ・ダンタン

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社会人になってこの4月で10年になる。思うようにいったこともいかなかったこともあるが概ね満足しているし、何より周りの環境に恵まれているなと思う。
今日は感謝の気持ちを込めて叔母を食事に招待した。

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地方の高校を卒業して東京の大学に進学を決めた私だったが、父は私が一人暮らしをすることに大反対だった。そんな私に同居の提案をしてくれたのが東京に住んでいた叔母だった。「うちのマンションからなら大学も近いし、何より安心でしょ。」と丁寧に父を説得してくれた。おかげで私は東京での大学生活をスタートさせることができた。
親戚との同居は窮屈なんじゃないの、と友達には心配されたが、仕事が忙しい叔母とは朝も夜もほとんど顔を合わせることがなかったし、基本外食の生活だったからキッチンを使うのはもっぱら私だった。珍しく早く帰ってきた叔母が「あーお腹すいた。」と満面の笑みで私を見るので「パスタくらいなら作るけど。」と返すと、「ありがと、じゃあ先に着替えてくるわ。」と走って部屋に戻っていった。

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こないだのパスタのお礼、と叔母からお出かけの誘いがあったのは翌週の週末のことだった。少しお洒落しておいでねと言われ待ち合わせたのは、閑静な住宅街の奥にある小さな映画館。そこでフランスの映画を観た。ストーリーは悲しいラブストーリーで胸が詰まりそうになったけれど、主人公の女の子のファッションや映画全編に流れる音楽や映像の美しさに心奪われた。そして私の好みを叔母が知っているということにとても驚いた。
映画の後は食事に連れて行ってもらった。映画館からほど近いカウンター8席だけの小さなイタリアンビストロ。シェフが一人で切り盛りしていて魔法のように美味しいお皿がテンポよく出される。「いつかこの子もお邪魔するようになると思うから、シェフよろしくね。」とワイン片手に叔母が話している。思い切って今の悩みを叔母に相談してみよう、そんな気にさせてくれた不思議な夜だった。

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自分が好きで大切に思っていること、でもできないかもしれないと踏み出せないでいることをぽつりぽつりと話した。ひとしきり話を聞いた叔母は大きな声で笑いそしてこう言った。「大丈夫、何とかなるよ。自分が大切にしている気持ちっていうのは自分自身が一番大切に扱ってあげないとだからね。」と。そして、鞄から小さな箱を取り出すと「これから踏み出す世界へのお守りになるといいね。」とダイヤのリングを指にはめてくれた。

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あの夜がなかったら、私は自分の気持ちに正直に向き合うことがなかったかもしれないし、今とは全く違う仕事をしていたかもしれない。あの日もらったこのリングは間違いなく私の背中を押してくれたし、弱気になりそうなときに勇気をくれた。今ではお守りであり大切な相棒だ。
今日は久しぶりにあのビストロで待ち合わせをしている。お洒落な叔母と会って話をするのは本当に楽しい。話したいことがありすぎて時間が足りるかな、と余計な心配を今からしている自分が可笑しかった。

アトリエ・ダンタン

Amuletの新作がアトリエ・ダンタン東京店に届きました。
自分自身へのご褒美に、大切な方へのプレゼントに。
一点物のダイヤのリングは特別感がありつつも日常に溶け込み、着けた方のお守りとなってくれるはずです。ぜひ店頭に足をお運びいただき、その美しさを堪能していただければと思います。

Amuletのほかにも4月からの新生活に毎日付けたくなるジュエリーをたくさんご紹介しております。神戸本店、東京店ともに皆さまのお越しを心よりお待ちいたしております。

– Amulet –
Ring : Light Pink Square Dia Ring ¥220,000- ・ Light Pink Oval Dia Ring ¥308,000-


ショートストーリー

「 Short Story 」では、今の季節におすすめするアトリエ・ダンタンのジュエリーをご紹介します。

アトリエ・ダンタン 神戸Atelier d’antan KOBE

神戸市中央区栄町通 2-1-13
078.392.0481
12:00-19:00 営業しております。*水曜 店休日
kobe@atelierdantan.jp

アトリエ・ダンタン 東京Atelier d’antan TOKYO

東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング2F
03.6268.0881
tokyo@atelierdantan.jp

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