ヒンメリ

Rauhallista,Joulua.

フィンランドの伝統装飾として知られるヒンメリは本来その年に収穫された麦を使い、翌年の豊穣、幸せ、家族が健やかに過ごせるようにと願いつくり飾られたもの。その造形美もさることながら、込められた願いや想いに触れるとより温かく感じ、そして愛着がわきます。繊細な麦を正確な寸法でカットして、思い描いた完成形をひと針ひと針組み立てる作業には、手先の器用さはもちろんのこと、途方もない緻密な計算が頭の中を渦巻いているのではないでしょうか。美しさも、温かみも伝えることのできる人の手仕事に勝るものはありませんね。

写真のヒンメリは北海道 札幌在住のヒンメリ作家、山本睦子さんの作品です。ご縁があって、山本さんを講師に迎えトーロでヒンメリのワークショップを開催したのが2013年冬。その後はなかなか顔を合わせてゆっくりお話をすることは叶いませんでしたが、こうして今なお繋がっていられることに感謝の気持ちでいっぱいです。

山本さんのワークショップではヒンメリの制作のために適した材料を手に入れることが困難だったこともあり、小麦よりも繊細で、丈夫な素材を求め、ご自身でライ麦を育てることにしたというお話を聞き、何から何まで一貫されたそのお仕事ぶりに頭が下がる思いをしたことを思い出しました。夏の間、土をいじりながら太陽をいっぱい浴び、今年大切に育まれたご自身のライ麦で作ってくださったヒンメリが今朝、札幌からはるばる神戸に届きました。 -Rauhallista,Joulua. 心穏やかなクリスマスを-と山本さんらしい温かなメッセージを添えて。

気がつけばクリスマスまでのカウントダウンは「あと9日」というところまできました。あっという間に過ぎようとする2020年もこうして支えてくださる皆さまのおかげで温かな気持ちで記憶に留めておくことができそうです。本当にありがとうございます。 

山本睦子さんのオフィシャルサイトはこちら→ウェブサイト 

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草花の香りに季節を感じる

旬の食材を愉しむ

心に響くものに触れる

覚えておきたい風景に出合う

私たちはこれからも ‘暮らしを愉しむ様々なこと’ をご提案させていただきます。

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