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野口悦士

2022年11月26日(土) – 12月4日(日) *作家在廊日 26日(土)
11:00-18:00 (土・日)  12:00-18:00 (平日)  水曜定休

@ STÖCK GALLERY

初めて目にした野口悦士さんの緑青の器は素材も国籍も古物かどうかさえもわからないほどの佇まいで、眺めていると奥行きの深いその色合いから無限に広がる宇宙が連想されたのでした。

限られた材料の中で窯の中の酸化と還元のムラによって生まれるこの自然美は感性と経験がなせるものです。「器はあくまでも脇役」と野口さんが仰るように料理を盛ったとき、花を一枝いれたとき、野口さんの器は大地のようにそれらを包み込んで奥に潜んだ美しさを引き出してくれます。

神戸では初の個展となります。是非お手にとって天地の色合いを感じてみてください。

野口悦士
昨年、鹿児島にある野口さんの工房を訪ね、手積みの煉瓦が美しいキルンや製作風景を見せていただきました。初めてお会いする野口さんはとても穏やかで目がキラキラと少年のような方で、蒸してくださっていたお芋とお茶をいただきながらこれまでの経歴や私が特に興味があったデンマークのKHヴューツでのお話をお聞きしました。

創設者のオーゥ・ヴューツはイギリスの陶芸家バーナード・リーチの工房での経歴とともに現在ではレストラン「ノーマ」の器も手掛けられている人物で、何事にも好奇心旺盛な野口さんは別のプロジェクトでのデンマーク滞在中に立ち寄られたそうです。その際、ヴューツ氏本人に気に入られ、それから二度滞在され多くの感性や価値観を学ばれたと聞きました。

そうして変化してきた野口さんの生み出す作品は、色やテクスチャーからくる力強さだけではなく、手跡がしっかりと残る温かさとともに器としてだけではなくオブジェとしての佇まいも持ち合わせています。多くの料理家が好んで野口さんの器を使われているのも深くうなずけます。

今回の個展は神戸では初めてということもあり色のヴァリエーションも豊富にご紹介させていただく予定です。


野口悦士

野口 悦士陶芸家
1999年に種子島へ移住し陶芸活動を開始。2006年より中里隆氏に師事。唐津・アメリカ・デンマークのKH Würtz(コーホー ヴューツ)などでの滞在制作を経て現在は、鹿児島を拠点にして活動する。


STOCKSTOCK GALLERY

神戸市中央区栄町通 2-1-15 2F
078.392.1481
11:00-19:00 *水曜 店休日
info@def-company.co.jp
@stock_gallery_kobe

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