ゆるやかな石畳の階段を進んでいくと左手にそのお店は見えてくる。
漆喰の白い壁とペイントガラスがはめ込まれたアンティークのドア。真鍮のドアノブをゆっくり回して中に入ると小さな鐘がカラカランと音を立てる。「いらっしゃいませ、こんにちは。」いつものご主人のやわらかい笑顔に心がほころぶ。
ショーケースには行儀よく整列をしたチョコレートが並ぶ。おめかし顔のチョコレートたちを額がぶつかりそうなほど熱心に見ていると、「そんなに見たらチョコレートが恥ずかしがるんじゃないかな。」とご主人が笑う。
チョコレートは定番のものと季節を取り入れた週替わりのものがあり、次に来た時にはないものもあるので心残りがないようにとついつい選ぶのに慎重になってしまう。
ようやく選んだ3つのチョコレートはトングでそっと取り出され、ピカピカに磨き上げられたトレーに並ぶ。
その一連の動きがはっとするほど美しく、見とれている間にもチョコレートは仕切り箱の中に一ミリのずれもなく納まり、箱にはリボンがかけられた。
「ありがとうございます、お気をつけて。」お店の壁と同じ白色の上品な手提げ袋をご主人が愛おしそうに渡してくれた。
急いで帰って箱を開けたい気持ちもあるけれど、この小さく美しい宝物を手にして歩く自分が誇らしく、やっぱり今日は少し遠回りして帰ろうと自然と歩幅が大きくなった。
‘Chocolat’
その美しさ故にいつまでも眺めていたくなるショコラティエが創造するチョコレート。箱の中に整然と並べられた一粒ずつ形も味も違うチョコレートは私たちを魅了します。そんなチョコレートをイメージしてデザインされた‘Chocolat’シリーズの新作が神戸本店、東京店に届きました。ぜひお手に取ってその美しさを味わっていただければと思います。みなさまのお越しを心よりお待ちいたしております。
新作はインスタグラムでもご紹介しています。こちらもあわせてお楽しみください。
「 Short Story 」では、今の季節におすすめするアトリエ・ダンタンのジュエリーをご紹介します。
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