デンマークで生まれ、パリを拠点にインドの職人の手による素晴らしいもの作りを伝えたいとKhadi and Co.を設立、そのデザイナーでもあるベス・ニールセン。この度「TEXTILE 20 YEARS WITH INDIA」と題し、彼女の40年以上にわたるインドの職人たちとの仕事の軌跡をたどる展覧会を東京で開催します。3フロアで構成される会場では、まずは3Fまで上がっていただきます。彼女がサポートする村でおこなわれている綿の収穫から紡績、織布、刺繍、糸、染色に至るまでのカディにまつわる職人たちの手仕事の映像や写真、ミュージアムピースを用いたキュレーションなどをご覧いただけるスペース「Museum」では、手仕事からなるKhadi and Co.の圧倒的な世界観にじっくりと触れていただきます。2Fに下りると、インドの日常を感じてほしいとのベスの思いから軒を連ねるマーケットのごとく彼女が長年にわたって蒐集してきた「白」と「インディゴ」の美しい生地や洋服が並べられたスペース「Emporium」があります。そして1F の期間限定「Khadi and Co. Store」では、ベス・ニールセンとデフカンパニーが時間をかけてブランドのアーカイブから厳選した新作を含むクロージング・コレクションが並びます。その中には、この展覧会のために準備した限定モデルや限定色の洋服、ストールやカバンなど、たくさんの魅力の詰まった内容となっています。
Khadi&Co.
– TEXTILE 20 YEARS WITH INDIA –
期間 : 2024 年 4 月 6 日(土) – 4 月 14 日(日)
場所 : @ haus&terrasse
手織りのテキスタイルに魅了されたデンマークのデザイナー ベス・ニールセンは、40年以上にわたりインドの優れた織物職人を探し続け、出会い、密接に仕事をしてきた。インドのテキスタイル・アートの豊かな伝統に傾倒することで彼女はインドの自由運動の象徴でもあるカディの奥深い文化的意味合いを理解していく。カディとは太古よりの広大なインド亜大陸に由来する手紡ぎ手織りの布である。1947年、ガンディーは各家庭に織機を普及させることでカディをインドのアイデンティティと独立の象徴とした。それは人々に経済的な自立と自尊心をもたらし、生産された織物はカディ・エンポリアムと呼ばれるインドの生活協同組合の店で販売される。今日に至るまで村々の経済は紡績、織布、刺繍、糸、染色を中心に組織化されている。カディとは単に綿なのだが、夏は涼しく冬は暖かい万能織物である。手紡ぎの糸はまさしくオーガニックであり、軽くて通気性がよく肌に触れると独特な柔らかさがある。手紡ぎ糸の風合いは光を反射し、その軽やかさは温かみのある柔らかさと爽やかな風とともに幸福感をもたらしてくれる。
真の贅沢とは、物質的にも精神的にも大きな安らぎを与えることではないだろうか。2003年に設立されたKhadi and Coは、スカンジナビアの機能性と規律をインドの繊細で洗練されたテキスタイルアートの伝統と融合させ、職人の手によるラグジュアリーファッションのパイオニアであり、そして「人の手の力」を讃えている。
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