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アトリエ・ダンタン

1995年神戸港近くの汽笛の聞こえてくる小さなアトリエから歩み始めました。Atelierd’antanとは、フランス語で「往年の工房」という意味をもち、私たち作り手から生まれたものがお客様の手に渡り、長い年月を共に寄り添い思い出や歴史が傷や皺として刻み込まれ、それが味わい深いアンティークのような雰囲気に少しずつ近付いていく。その道程で何かあれば私たちが繕い、継ぎ直し何度でも元通りにしていく。そうした長いお付き合いを経ていずれは往年の一品として育って欲しい。そういう願いを込めて名付けました。ジュエリー、クロージングそれぞれのアトリエの作り手は同じコンセプト「古き良き」を独自な創意、上質な素材、繊細な手仕事をもって表現しています。

JEWELRY

始まりは「Muku」無垢と名付けた一つのリングからだった。森に落ちていた枝の朽ちた木肌、海岸に流れ着いた流木の打ち傷。思い描くその佇まいになるまでひたすら手を動かす。手は作り手の心を映し出す。道具を置き、手を止めた瞬間それが現れる。同じように作っていてもその時の季節、空合い、心情でひとつひとつ表情が違う。型での生産では決して出し得ない温かみを、鍛造で地金と対話しながら一点ずつかたちにしていく。アトリエで生み出されるジュエリーの独特なテクスチャーは、長年かけてヨーロッパで蒐集してきたアンティークの道具に手を加え、時間をかけて独自のものにリメイクしているが故である。
緻密に削り出した枠に極小ダイヤモンドを一粒ずつ石留めをしていく気の遠くなるような作業から生まれる「Jubilee」は、まるで野花を集めて束ねたブーケや花飾りのように心に安らぎを与えてくれる。ショコラティエが創作する一粒ずつ形も味も違う宝石箱のように、様々な色や形のダイヤモンドを遊び心と共にゴールドの箱に詰め込んだ「Chocolat」のシリーズは、体のパーツをいつも美く引き立ててくれる。フランス庭園などに見られる植物の配置の芸術的な造形美を表現した「Jardin」。リングを数本重ね付けすると自分だけの庭園が現れる。独自の視点で選別したユニークで幻想的なダイヤモンド。それぞれ一粒に合わせて創作していくビスポークシリーズ「Amulet」は、エンゲージリングや自身のご褒美として。優美な舞曲を踊る女性のドレスに生まれるドレープのように絶妙なバランスで成形された「Waltz」のリングは指の上で魅惑的な表情を見せる。

SHOES

R.U.が全ての生産を手掛けるレザーシューズは、オリジナルの木型を使用して昔ながらの製法で全工程を丁寧にハンドメイドしている。ファッションという枠にとらわれることなく古い時代を感じさせるどこか懐かしい温かみのあるものづくり。産業革命前夜の人々に見られる手仕事ならではの手のかかる繊細な仕様や素材を敢えて選び、生活の道具として大切に手を入れながら履き古していくことで生まれる古色蒼然の美しさをイメージし、シンプルな中でのフォルムとバランスを追求しながら「背景が見える靴作り」を目指している。
普遍的な紳士靴のモデルを敬愛しつつ女性用にモディファイした「Classics」。上質なカーフを吊り込み見えない部分の本革底や踵に至るまで丁寧に仕上げているため、佇まいから凜とした気品が滲み出ている。ヨーロッパの古いモノクローム写真に映し出される正装に革靴を履いた子供達。きっと大切な行事にでも連れられていたのだろう。この愛らしくも素朴な表情をイメージしたシリーズ「General」は、初めてワンストラップを履いた時のような郷愁に駆られる。代表的な「Dessin」は全く新しい試み、セオリーに反した製法を用いているため、ヴィンテージと見紛うほどの雰囲気を醸し出している。作り手にはしっかりと見えている完成形は、どんなに熟練した職人が同じように仕上げても決して近いものはできないだろう。例えるならば絵を描くように靴を仕上げている。この佇まいの美しさから誰がこの履き心地の良さを想像できるだろうか。

CLOTHING

ジュエリーとシューズの作り手が十数名、各々のエプロンを身に着け日々作業に明け暮れている。役割りの違いで見て取れる汚れ方や破れ方、白は色褪せ、濃いインディゴは蒼色へ。それらはまるで仕事を映し出した作品かのように思える。私たちのものづくりの原点はフランスにある。ある日、素材探しのためパリ郊外を歩いていると、とても旧い時代に織られたのがひと目でわかる高貴な麻の反物に出逢った。寂れた画材屋では絵描きが着てそうなスモックが吊るされていた。底冷えのする地下の倉庫では埃を噴き飛ばしながら一箱ずつ宝箱を開けて古いボタンを選んだ。そうだアトリエのみんなの作業着を作ろう。これが3番目のアトリエの始まりだった。
アトリエラインとして始まったシリーズは時代遅れのスローな力織機で織られる綿の生地を使用している。膨らみのある独特の風合いは昔からワークウェアの生地として親しまれてきたと聞く。それをどこか懐かしい1940年代~70年代のフランスの作業着や正装をモチーフにしたラインナップにのせた。年2回発表されるコレクションラインは、ヨーロッパを中心に様々な国の機屋の生地を選び、少しずつオリジナルの生地も増え、現在はデザイン、パターンに至るまで同じくアトリエで完結する。また、国内外の多品種にわたる工場や作家との協業で、縫製、刺繍、傘、木工、竹細工など、私たちだけでは成し得なかった頭の先からつま先までのアイテムが少しずつ生まれている。

SPOON ACCESSORIES

「Born with a Silver Spoon in his mouth」ヨーロッパでは、銀の匙を加えて生まれてくるとその子は幸せに恵まれる、という言い伝えがある。古き良き時代の幸せの象徴、古いものでは200年以上前の価値高いスターリングシルバーのアンティークスプーンをお守りのようにとアクセサリーに蘇らせた「Revivre」シリーズ。デザート、ティー、コーヒー、シュガー、ソルトなど用途によるスプーンの大きさ長さの違いに応じてデザインが生まれている。経年変化が織りなす佇まいはもちろん、素材、年代、生産地などを証明するために打ち込まれた美しいホールマーク、家柄を表すイニシャルや文様を彫り込んだ持ち手。一本一本異なるデザインを眺めていると、遠い国から長い時を経て今こうして自分の手元に届いたのだと感慨深い気持ちになる。

MARRIAGE

アトリエ・ダンタンでは、通常店頭でもご覧いただけるコレクションの他、作り手が直接お会いしてカウンセリングを行い、オリジナルのウェディングリングやエンゲージリングを制作することができます。素材の18Kに関しては、独自の精錬比率で5色以上の豊富なカラーヴァリエーションをご用意しています。デザインをしますというスタンスではなく、お二人の理想をかたちにする、それが私たち作り手の想いです。これまで25年の間に制作し蓄積してきたアイデアの中からお二人に合ったものをご提案いたします。神戸本店では随時ご予約を承り、不定期ですが東京店でもカウンセリングを行っていますのでどうぞお気軽にお問い合わせください。

新丸の内ビルディングでお会いしましょう

アトリエ・ダンタン東京店のオープンに際しまして、たくさんのお問い合わせをいただきありがとうございます。お手元にお知らせはお届けできましたでしょうか。神戸店と同様に作り手の想いをより近くに感じていただけるサロンのような空間で皆さまにお会いできますのを楽しみにしております。

アトリエ・ダンタン 東京
*今回、オープンを記念して20,000円以上お買い上げの方にアトリエ・ダンタンオリジナルバッグをノベルティとしてご用意しております。

Atelier d’antan TOKYO
東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング2F
03.6268.0881
2020年3月20日(金祝)オープン
tokyo@atelierdantan.jp