神⼾の中でも、ひと際多くの人で賑わう中華街。その合間をぬって通りを南に抜けていくと、さっきまでの喧騒とは異なるゆったりとした空気がながれはじめます。

かつて海運業で栄えたその街の一角にある古い建物に、寄り添うよう生い茂るフェイジョアの木を見つけることができます。フェイジョア越しに中を覗くと、年月をかけて少しずつ色濃くかわっていったであろう床板や梁が見え、多くの人がここで過ごした日々と営みを感じることができます。

そんな趣のある街と建物にあるのが私たちのお店 “ Atelier dʼantan（アトリエ・ダンタン）” 。おかげさまで神戸店は今年20周年という大きな節目を迎えることができました。

今までたくさんの⽅に⾒守られて、これからもそこに在り続けたいと願うアトリエ・ダンタンの歩みを改めて皆さまにご紹介いたします。

History

Atelier d’antan KOBE Since 2003

栄町通にある⻑屋のひと部屋。もともとお寿司屋さんだったこの場所から、はじめは ” dʼantan “ という屋号でオープンの日を迎えました。

時に伸びやかに、時に真ん丸と、どこか誇らしげなフェイジョアの⽊は神⼾店のシンボルマーク。お店の場所はそのままに、2016年には広々とした空間に⽣まれかわりました。

Atelier d’antan TOKYO Since 2020

2020年3⽉にはアトリエ・ダンタン東京店が新丸の内ビルディングにオープン。神戸店で大切にしてきたものはそのままに、より多くの皆さまをお迎えできる新しい空間がまたひとつ生まれました。

Atelier

ショップからほど近い場所に、ジュエリーと洋服をつくるアトリエがあります。素材えらびやデザインからはじまり、お店に並ぶまでに幾人もの手を介してうまれるものは、いつだって晴れやか。

Jewelry

静けさの中、鎚で地金をたたく一定のリズムが響きだすと、今日も職人たちが動きはじめたのだと感じます。これだけ精緻なものをつくるにはどれだけの手間がかかるのだろうと、難なく作りあげていく彼らの姿からは想像がつきませんが、長年培われてきた技術に裏打ちされたものだと、仕上がってきたジュエリーを見て思います。

新作お披露目会

新作が出来上がると、全国いくつかの場所を巡って皆さまに直接ジュエリーのフルコレクションを⾒ていただける機会を設けています。私たちはそれをお披露目会とよんでいて、今では年に二回、開催しています。

皆さまに巡回をお知らせするお披露⽬会のはがき。植物で構成された表紙を見るのが楽しみというお声もいただき、嬉しいかぎりです。

20周年を記念してアトリエ・ダンタンでは現在ジュエリーのリペアキャンペーンを承っています。

Clothing

アトリエ・ダンタンの洋服づくりのはじまりはパリの倉庫で眠っていた⿇の古布との出合いから。古い時代だからこそうまれた表情豊かなそれらをつかって、職人達の作業着を作ろうと思ったことがきっかけでした。

はじめは自分たちのために作っていた洋服ですが私たちの物づくりに共感してくれた人たちのおかげで、全国のお店でもご覧いただけるようになりました。
現在ではヨーロッパの上質な生地や、オリジナルの生地も増えていますが、古いボタンをつかったり、マークを自分たちの手で縫い付けるなど、物づくりをはじめた頃とかわらない想いで洋服をつくり続けています。

洋服をつくるアトリエはミーティングや⼯場とのやりとりでいつも活気に溢れる場所。

毎シーズンのコレクションをひとつの冊⼦にしてご覧いただけるようにしています。

おかげさまでアトリエ・ダンタン神戸店は20周年を迎えることができました。これもひとえに日ごろ支えてくださる皆さまのおかげです。次の節目となる30周年に向けて、開店当時よりも情熱をもって物づくりに励んでいきたいと思いますので、アトリエ・ダンタンをこれからもどうぞよろしくお願いいたします。