テキスタイルという言葉を聞くと、皆さんはどのようなものを連想されるでしょうか。ソファやカーテンなど、インテリアにまつわるものを思い浮かべる方も多いかと思いますが、マリメッコのデザインを手がけた鈴木マサルさんが創り出す作品はテキスタイルをもっと身近に感じさせてくれます。鈴木さんが選んだツールとして代表的な「傘」。大胆な色使いと描線で表現されるユニークな柄は曇り空を鮮やかに彩り、億劫になる雨の日のお出かけも待ち遠しくさせます。’テキスタイル’を暮らしに取り入れる、ということは決してハードルの高いことではありません。一枚のカーテンが室内の印象をがらりとかえ、何でもない日常を彩る。それは、とてもシンプルにこれまでの暮らしをより楽しめる術のひとつです。鈴木さんの傘は、まさに持ち運べるテキスタイル。まずは一本の傘から、奥深きテキスタイルの世界をお楽しみください。
 
 
鈴木マサル　テキスタイルデザイナー
多摩美術大学染織デザイン科卒業。粟辻博デザイン室に勤務した後、1995年に独立。2005年からテキスタイルブランドOTTAIPNUを主催。国内外のブランドへデザインを提供する他、現在はテキスタイルにとどまらず、様々なプロジェクトに参画。東京造形大学造形学部デザイン学科教授。